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映画の舞台にもなったサマティヤで古い教会と絶品魚料理を巡る半日コース

イスタンブール観光ガイド: 映画の舞台にもなったサマティヤで古い教会と絶品魚料理を巡る半日コース の詳細解説

古い街並みに溶け込む、アンティークな小物が並ぶ店先。

イスタンブールの旧市街、スルタンアフメットの喧騒を背に、マルマライ(Marmaray)線で西へわずか数分。サマティヤ駅の階段を降りると、街の空気がふっと柔らかくなるのを感じます。潮風に混じって漂ってくるのは、炭火で焼かれた魚の香ばしい匂いと、パン屋から流れる焼きたての香。先週の土曜日、午後2時頃に中央広場を歩いていたときのことです。なじみの魚屋の店主が「アルダ、今日のルフェ(クロムツ)は格別だよ、見ていきなよ」と、銀色に輝く魚を掲げて見せてくれました。広場を囲むカフェでは、地元の人々が何時間もかけてチャイを楽しみ、観光地のスピード感とは無縁の、100年前から続くような穏やかな時間が流れています。

ここは、かつてギリシャ人やアルメニア人が隣人として肩を寄せ合い、共に暮らした多文化共生の記憶が色濃く残る場所です。トルコで今も愛される数々の名作映画やドラマのロケ地として選ばれるのは、石畳の路地や歴史の重みを感じさせる木造家屋に、言葉では説明できない「アシュナ(親しみやすさ)」が宿っているからでしょう。ビザンツ時代の面影を残す教会の古い石壁をなぞりながら歩けば、有名観光スポットでは決して味わえない、この街の深い呼吸が聞こえてくるはずです。

エミノニュ付近からタクシーを利用する場合、渋滞がなければ15分ほど、料金は約250 TL(約5ユーロ)が目安です。ただし、サマティヤの入り組んだ細い路地を存分に味わうなら、マルマライ線の駅を起点に歩き始めるのがベスト。歴史的な教会のいくつかは、安全上の理由で入り口が閉まっていることもありますが、隣接する管理事務所で丁寧にお願いすれば、快く鍵を開けて内部を見せてくれることもあります。そんな小さなしきたりや地元の人との予期せぬ交流こそが、サマティヤという街を読み解く鍵となるのです。

時が止まったようなサマティヤ広場:名作ドラマの舞台を歩く

イスタンブールで「本物の下町の空気」に触れたいなら、観光客で溢れ返るスルタンアフメットを離れ、迷わず**サマティヤ(Samatya)**へ向かうべきです。ここは、かつてギリシャ人やアルメニア人が多く暮らした多文化な歴史地区であり、今なお15年前、あるいはもっと前から変わらないであろう「古き良きイスタンブール」が息づいています。

私が15年前に初めてこの広場を訪れた時、最初に驚いたのは、マルマラ海から吹く潮の香りと、店先に並ぶ新鮮な魚の匂いが、広場を包み込む大きなプラタナスの葉の香りと混じり合っていたことでした。その感覚は、今も全く変わっていません。

魚料理で有名なサマティヤの街角で売られている新鮮な魚。

1990年代の名作『第二の春(İkinci Bahar)』の面影

トルコ人にとって、サマティヤ広場は単なる広場ではなく、伝説的なテレビドラマ**『第二の春(İkinci Bahar)』**の聖地でもあります。1990年代後半、トルコ中の人々がテレビにかじりついたこの物語は、まさにこの広場にあるケバブ屋「Ali Haydar」を舞台にしていました。

ドラマの主人公たちが喜怒哀楽を共にしたあの広場は、今も撮影当時の面影を色濃く残しています。広場を囲む古い木造家屋や、石畳の道. 初めて訪れる方でも、どこか懐かしいような、温かい郷愁を感じるはずです。ただし、当時の雰囲気を楽しみたいなら、レストランの客引きが活発になる夜よりも、地元の人々が日常の買い出しに歩く午前中から昼過ぎに訪れるのがベストです。

プラタナスの下で交わされる日常の風景

広場の中央には、守り神のように巨大なプラタナスの木がそびえ立っています。その木陰にある茶屋(チャイハネ)は、地元の老人たちがチェスやバックギャモン(タヴラ)に興じ、政治やサッカーについて熱く語り合う社交場です。

私もここでよく、一杯30TL(約0.6ユーロ)ほどのチャイを飲みながら、八百屋や魚屋が威勢よく声を上げる様子を眺めて過ごします。15年前、私がまだ駆け出しのガイドだった頃に教えてもらった「客の目を見て、一番良い魚を勧める」という商売の基本は、今もここの魚屋たちの間で守られています。

サマティヤは少し歩道が狭く、路面も凹凸があるため、歩きやすい靴で行くことを強くお勧めします。マルマライ線の「Koca Mustafa Paşa(コジャ・ムスタファ・パシャ)」駅から歩いてすぐというアクセスの良さも、この歴史地区を半日コースに組み込みやすい理由の一つです。

サマティヤへのアクセス:マルマライ鉄道でたったの15分

イスタンブールの悪名高い交通渋滞を避け、最もスマートにサマティヤへ向かう方法は、間違いなくマルマライ(Marmaray)鉄道を利用することです。旧市街の観光拠点であるシルケジ(Sirkeci)駅から乗車すれば、わずか2駅、時間にして10分ほどで別世界のような静かな下町に到着します。

先週の火曜日、午前11時半頃のことでした。サマティヤ駅裏の入り組んだ路地で地図を確認していたところ、偶然通りかかった小さなパン屋の店主が「どこへ行きたいんだ?」と声をかけてくれました。15TLのシミットを一つ買っただけなのに、彼は店を抜け出して50メートル先の広場の入り口まで私を案内してくれたのです。こうした地元の人々の温かさは、駅から広場までの短い道のりでも存分に感じられます。

運賃は乗車距離によりますが、おおよそ**20〜30TL(約0.4〜0.6EUR)**程度です。駅の改札を通る際には、必ずイスタンブールカード(Istanbulkart)の残高を確認してください。最近は物価変動の激しいイスタンブールを賢く歩くための両替とカード決済の使い分け術を意識することが必要ですが、交通カードのチャージ機(Biletmatik)では稀にクレジットカードが反応しないことがあるため、常に少額の現金(リラ)を持ち歩くのが旅のプロの鉄則です。

街のいたるところで出会える、屋根の上でのんびりと日向ぼっこをする愛らしい猫。

サマティヤ広場までの具体的な手順

駅から目的地までは、以下の手順で進んでください。

  1. **シルケジ駅(Sirkeci)**のマルマライ専用入り口から地下ホームへ降ります。
  2. 「Kazlıçeşme(カズルチェシュメ)」または「Halkalı(ハルカル)」方面の電車に乗車します。
  3. 2駅先の**「コジャ・ムスタファ・パシャ(Koca Mustafa Paşa)」駅**で下車します。
  4. 改札を出たら、案内板に従って「Samatya」方面の出口へ進みます。
  5. 地上に出たら、海を背にして緩やかな坂を上る方向へ直進します。

駅からメインスポットであるサマティヤ広場までは、徒歩5分ほどです。もし入り組んだ路地で方向が分からなくなったら、近くの商店の人に**「サマティヤ・メイダヌ(Samatya Meydanı)?」**と尋ねてみてください。

多文化が息づく祈りの跡:聖ニコラオス教会とアルメニア教会

サマティヤを歩くなら、観光地のきらびやかなモスクだけでなく、歴史の荒波を越えて今なおひっそりと、しかし力強く残るキリスト教会の存在を無視することはできません。ここはかつてギリシャ人やアルメニア人が多く暮らした場所であり、その祈りの記憶が街の角々に刻まれているからです。こうした重層的な歴史の深みは、リニューアルされた「地下宮殿」の幻想的な静寂へ:リニューアルしたイェレバタン・サライで歴史の深淵に触れるで見られるような、ビザンツ時代の息吹ともどこか通じるものがあります。

黄金に輝く聖ニコラオス教会のイコノスタシス

まず訪れてほしいのが、ギリシャ正教の聖ニコラオス教会(Agios Nikolaos)です。私が以前、午後の柔らかな光が差し込む2時頃にここを訪れた際、扉を開けた瞬間に目に飛び込んできたのは、息を呑むほどに見事な黄金のイコノスタシス(聖所を隔てる仕切り板)でした。

教会内を包み込むかすかなお香の香りと、静寂。ここでは、スルタンアフメットの喧騒が嘘のように遠く感じられます。午前中に職人の舌が認めた「究極の家庭料理」:エスナフ・ロカンタで味わう、滋味豊かなトルコの日常をたっぷり楽しんでから、ゆったりとした心持ちでこの静寂の中に身を置くのが、私のお気に入りの散策プランです。

「スルプ・ケヴォルク」の沈黙と管理人との交流

そこから数分歩くと、高い壁に囲まれたアルメニア教会の**スルプ・ケヴォルク(Surp Kevork)**が見えてきます。一見すると中に入るのをためらうような堅牢な構えですが、門の前で管理人の男性と目が合ったとき、「Merhaba(メルハバ)」と一言挨拶を交わしてみてください。

その瞬間、あなたは単なる「観光客」から、温かく迎え入れられるべき「客人」へと変わります。かつてビザンツ時代の修道院があった場所(スウル・マナストゥル)に建つこの教会は、外の世界の騒音を一切遮断したかのような静寂に包まれています。

サマティヤの情緒ある工房で穏やかな表情を見せる地元の熟練職人。

絶品魚料理に舌鼓:メイハネで味わう旬の味覚とラク

サマティヤの夜を完成させるのは、間違いなくこの広場を囲むメイハネ(Meyhane)での時間です。イスタンブールの旧市街には多くの飲食店がありますが、ここほど「地元の人々が、親しい仲間と人生を語り合う」という伝統的なメイハネ文化が濃密に残っている場所は他にありません。

季節が教えてくれる「本当に食べるべき魚」

トルコ人は季節の魚に非常にこだわります. 秋(9月〜11月)なら、絶対に**ルフェル(Lüfer / オフィッシュ)を指名してください。イスタンブールの人々に「魚の王様」と称されるこの魚は、脂が乗っており、炭火で焼いた時の香ばしさは格別です。冬(12月〜2月)に訪れるなら、迷わずハムシ(Hamsi / カタクチイワシ)**のフライを。小魚ですが、サクサクの衣と中のジューシーな身のバランスは、一度食べると止まりません。

Arda’s Insider Tip: 広場の魚屋で買ったばかりの魚を、提携しているレストランで調理してもらうことも可能です。調理代として150〜200TL(3〜4EUR)程度かかりますが、最高に新鮮な体験になりますよ。

サマティヤで外せない5つの体験(おすすめランキング)

サマティヤの魅力を凝縮した、訪れる際にぜひ体験していただきたい要素をランキング形式でご紹介します。

  1. サマティヤ広場の散策:伝説的ドラマの舞台にもなった、この街で最も活気ある交流の場です。
  2. 絶品の旬の魚料理:広場を囲むメイハネで、炭火で焼かれた新鮮な魚とラクを堪能しましょう。
  3. 聖ニコラオス教会の参拝:歴史の重みを感じさせる、黄金の装飾が美しいギリシャ正教の教会です。
  4. ノスタルジックな路地裏歩き:古い木造家屋や石畳が残る、100年前から変わらない風景を楽しめます。
  5. スルプ・ケヴォルク教会の見学:ビザンツ時代の面影を残す、静寂に包まれたアルメニア教会の空間です。

サマティヤ散策をより楽しむためのFAQ

サマティヤを訪れるなら、夕暮れ時の一瞬を逃さないことが何よりも大切です。この街が持つ独特の哀愁と温かみは、日が沈み、広場の街灯が灯る瞬間に最も強く感じられるからです。

散策に最適な時間帯はいつですか?

午後4時頃に到着するスケジュールが理想的です。まだ明るいうちに歴史ある教会を巡り、太陽が傾き始める頃に広場へ向かってください。日没後はそのまま地元の魚料理店へ。夜の活気ある雰囲気こそが、サマティヤ swallow 真骨頂です。

教会を巡る際、服装(Kıyafet)で気をつけることはありますか?

観光地化されすぎていないからこそ、露出を控えた清潔な服装が求められます。特に現役の教会を見学する際は、ショートパンツやタンクトップは避けるのがマナーです。カバンに薄手のストールを一枚忍ばせておけば、肩を覆うだけで敬意を示すことができます。

レストランでのチップ(Bahşiş)はいくら位が妥当ですか?

サービスに満足したら、合計金額の10%程度を現金で渡すのがスマートです。例えば、会計が1,500 TLだった場合、150 TLほどをテーブルに残すと大変喜ばれます。

サマティヤの広場(Samatya Meyダンı)にある、何十年も変わらない佇まいのチャイハネで一息ついていると、隣のテーブルから聞こえてくるバックギャモンの駒を打つ小気味よい音が、不思議と街の喧騒を忘れさせてくれます。

ここは、観光ガイドに載っている「美しい景色」だけを消費する場所ではありません。夕暮れ時、広場のベンチで世間話に花を咲かせるお年寄りや、馴染みの魚屋と冗談を交わす主婦たちの姿に、私はイスタンブールが本来持っている、人間味あふれる「素顔」を見ます。初めて訪れる方は、路地裏で少し道に迷うかもしれません。けれど、そこで臆せずに近くの店の人に声をかけてみてください。たとえ言葉が通じなくても、彼らは笑顔で正しい方向を指し示してくれるはずです。サマティヤを後にする頃には、あなたは単なる「訪問者」ではなく、この温かなコミュニティの一員になったような、穏やかな充足感に包まれていることでしょう。

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